(1)素潜りバディシステムの功罪最近では、素潜りにおいても「バディシステム」として「一人が潜っているとき、もう一人が水面で監視し、上がってくると攻守交代」という方法が推奨されてきました。指導員の立場から私も「素潜りバディシステム」を支持します。皆さんも、素潜りをするときは「バディシステム」を守りましょう! 建前はそうですが、個人的には「素潜りバディシステム」に疑問を感じているのも事実です。どうも素潜りっぽくない感じがします。 ・一対一ですぐ潜るのでは、呼吸が乱れる。 ・十分呼吸を整えていると、水面での無駄な時間が増える ・下手な方に合わせるため、上手い方は上達しにくい ・自分のペースが乱れ、競争になりやすい 単独潜水に比べればはるかに安全です。また、指導員が率先して提唱しなければいけないのだろうとも思います。しかし、Cカードのあるスクーバですら「形式だけのバディシステム」が横行しているというのに、ルールやノウハウの少ない素潜りにおいて、安全なバディシステムを遵守させるのは一苦労でしょう。 FDMCでは、通常「グループシステム」で素潜りをします。スクーバ同様、リーダー(FDMCランク2〜3級)の管理下で、原則としてバディシステムで潜ります。5級レベルなら5バディ10人程度いても問題ありません。バディは、岩の隙間のタテキンを見たかったら、時に一緒に潜って構いません。今まで以上の深さに挑戦したいときは、リーダーが直接監視します。 二人だけで素潜りをするのなら、片方が自分のペースで潜り、もう一人はサポート役で合間に軽く潜る程度にします。しばらくしたら交代。1回ごとの交代ではせわしないものです。潜るのは水面から見える地点を限度とするのは当然のことです。透明度5mで、見えない10m地点を目標にしてはいけません。 スクーバダイバーをサポートにつけるのは、特殊チームでもない限り「労多くして実り少なし」に近いでしょう。10〜15m程度ならスクーバのサポートは要りませんし、18m以上になると無減圧潜水時間が短くてサポートになりません。いた方がいいには決まってますが、やや大袈裟と思います。 何らかの形でのシステムは必要でしょうが、理論的にも実践的にもまだまだ模索状態にあるのが現状です。優れた指導者の知恵を期待したいところです。 私は、FDMCのスクーバ初級組には10m程度の素潜り能力を期待しています。指導する側がお手本を示して、次にきちんと見守ってあげれば、「絶対に潜れない」と尻込みする人でもやがて潜れるようになります。 FDMCは名前のせいで勘違いされることが多いのですが、競技としての素潜りはしません。周りの迷惑を顧みず、二番煎じ・三番煎じにも届かないのに、一流フリーダイバーの真似をする気は毛頭ありません。「人は、海が潜らせてくれるところまでしか、潜ってはいけない」と考え、一社会人として手の届く範囲で潜るのがいいと思ってます。 ワイワイガヤガヤ集まって、「ほな、ぼちぼち行きまひょか」というのがFDMCらしい潜り方で、成果やハプニングは酒席でのネタとして取っておきます。そのために、安全に潜って帰ってきたいだけです。 |