(1)開業医の2割は心肺蘇生法ができない?赤十字や消防署で心肺蘇生法を何度も習うと、教える人の腕前に結構差があることに気付きます。実技は淡々と個性なく続けられるのが一番ですが、スポーツと同じ程度に上手下手があるようです。指導もぶっきらぼうな人から理論的に的確な人までかなり違いがあり、時がたってみると「あの人、素人相手だと思ってひどい言い方をしてたねぇ」と思い起こすことがあります。もうずいぶん古いネタですが、毎日新聞平成12年10月1日朝刊に、−人工呼吸などの心肺蘇生法、医師2割「できぬ」−という記事が載っていました。東邦大医学部救命救急センター上嶋権兵衛教授によるこの調査(平成10年1月)の概要は以下の通りです。 対象は東京都内の開業医(内科と外科)275人、回答は97人 ●心肺蘇生法について 正確に実施、指導できる 22% おそらく実施、指導できる 39% 実施はできるが、指導はできない 20% 実施はできないが、指導はできる 8% 実施も指導もできない 11% ☆分析結果 ・6割の医師は心肺蘇生法の実施と指導が可能 ・2割近い医師は心肺蘇生法に自信を持っていなかった 対象が「開業医」というからには、「大学の医局勤めの医師はもっと上手いんだろうか」「いや経験が浅くて若い分、もっと自信がないのではないか」などと気になりますが、ともかく、お医者さんでも自信がない人はいるようです。5人に1人が「実は出来ないんです」という割合を、みなさんはどう感じるでしょうか。 指導できない「19%(18人)」のお医者さんは、ずいぶん正直に答えたものです。職業柄、少し見栄を張ることはあっても、わざわざアンケートで自虐的な嘘を書く必要はないでしょうから、本音の数値と思います。むしろ、アンケートに答えなかった「178人」の先生の腕前が気になります。できないものは仕方がないでしょうが、「正直に回答できない」というお医者さんが多いとすれば、そのほうが問題です。 さて、同じ数値を流用したパロディとして、スクーバ指導員を対象にした調査結果が次の通りだったとしたらいかがでしょう。 対象は東京都内のスクーバ指導員275人、回答は97人 ●水泳、素潜りについて 正確に水泳、素潜りができる 22% おそらく水泳、素潜りができる 39% 水泳はできるが、素潜りはできない 20% 水泳はできないが、素潜りはできる 8% 水泳も素潜りもできない 11% ☆分析結果 ・え?泳いで潜れるスクーバ指導員って、6割もいたっけ? |